中期経営計画作成その他、税金に関すること

税理士です。経営計画を川口市、さいたま市、東京近郊でつくってます。

経営計画書の徹底活用

「はじめに」

中小企業の経営計画書の作り方を解説したものは、たくさんありますが、使い方を詳しく解説したものは少ないのではないでしょうか?そんな問題意識から、この記事を書くことにしました。これを読んだあと、もう一度、経営計画書を使ってみようと思っていただければ、幸いです。 経営計画書は評価が極端に分かれるものです。中小企業でも、1割~2割は、その素晴らしさを実感できるのに対し、8割~9割は、何の価値もないものと思っているようです。 「経営計画書をつくってみたけれど、うまくいかなった。」「中期経営計画なんてつくっても意味がない」「経営計画書は、ずっと机にしまっていました。」声はよく聞きます。 ですが、本当にそうでしょうか?よくよく話を聞いていると、それは、経営計画書の作り方がまずかったのではなく、使い方がまずかったのではないかと思います。それでは、どこがどうまずかったのか?まずは、経営計画書の作り方を確認し、そのうえで、経営計画の使い方に対し、批判的な意見を3つほど取り上げてみます。途中で、財務分析の指標や終わりで、決算書の概要にもふれています。数字のことは、まったくわからないと感じている方の補足としてつけているので、そうしたところは、読み飛ばしていただいて結構です。

「そもそも経営戦略とは」

一般的な意味・競争力を高める事業戦略、ライバルに勝ち、顧客を獲得するための作戦です。 ある調査によると、7割の会社は営業力・販売力を強化したいと考えているようです。 ライバルと比較した場合の優位性 具体的に数字で表現すると、説得力がまします。 自社の場合はどうでしょうか?

・顧客にほめられたこと 例 WEBの活用で90日で顧客が10名獲得できた

・顧客に貢献できたこと 例 申告期間が通常10ヶ月の相続税申告だが、申告期限1月前でもスピード対応し、感謝された。

・顧客にメリットをあたえられること 例 設備投資や工程圧縮により、ライバルより10%以上、低コストで見積もりをだすことができた。 ターゲットとなる顧客の明確化  ・得意先ごとの売上分類 そのうち、もっとも、売上割合が高いところはどこか、伸びしろが一番ある得意先はどこか 当社を一番評価してくれている得意先はどこか ・地域、属性、現状の問題 例 地域:高崎市、属性:コンサル、コーチ 現状の問題:顧客獲得が難しいと感じる人たち ・業種に特化するか、業務に特化するか 例 税理士業界の場合  業種: 会社設立、相続、組織再編、経営計画、経理代行、創業融資 など  業務:医療、建設、介護、風俗、飲食、美容、など ・

「経営計画とは」

 ・事業戦略を具体的に数字や言葉で表現し、何をいつまでにやるかを明確にしたものです。  言葉・経営理念、経営方針 数字・全社計画、部門計画、個人目標 中期経営計画は、事業戦略をもとに、経営理念、経営方針、中期経営目標、自社分析による売上分類、自社の強み、弱みの把握、数値計画と行動計画の作成します。 会社の方向性を経営理念や行動目標で示します。利益を予測するものというより、社内の足並みをそろえることに意義があります。 意外と経営理念について明確に答えられない会社もあります。 経営理念とは、事業目的をスローガン化したものです。 いろんな会社の経営理念があるので一度参考にしてみてください。

「経営計画書の作り方」

経営計画とは、現状から会社のあるべき姿(目標)に向かう道筋を数値計画や行動計画にしたものです。  経営者の夢を実現するには、情報を集め、様々な相談相手と話しあうことが必要です。情報源としては、自己分析、海外からの情報、専門家からの助言、街中、車窓からの広告、インターネット、ブログ、SNS,新聞、雑誌、書籍、テレビ、不動産情報、他の業界の情報、口コミ、友人、先輩、家族、親戚、所属サークル、趣味のつながり、経営コンサルタント、セミナーなどがあります。 計画には、大きく分けて数値計画と行動計画に分かれれます。行動計画は従業員一人ひとりが目標を立てて、社長に報告するかたちで作成します。それを日々の業務日報等で管理することで、社長と従業員のコミュニケーションが促進されます。数値計画は、利益計画と売上計画、費用計画、資金計画からなります。資金繰りに不安がない場合、売上計画のみの立案でも問題ないです。 経営計画書作成のステップとしては、 ① 経営理念やビジョンをつくる ② 自社の弱み・強みを分析する。 ③ 業界や顧客の動向、競合状況を調べる ④ 中期経営目標、当期経営目標を決める ⑤ 数値計画と行動計画をつくる 戦略作成には、SWOT分析などが用いられることもあります。

機会(Opportunity)     脅威(Threat) 外部のビジネスチャンスは?        外部のビジネスリスクは? 強み(Strength) み(Weakness) 自社の強みは?               自社の弱みは?

「経営計画書の使い方に対し、批判的な意見」

こうして経営計画書をつくったものの、批判的な意見があるのも事実です。それらを3つほどご紹介します。

① 「経営計画書をつくってみたけれど・・・」

「経営計画書をつくってみたけれど、全然うまくいかなったよ」と言われたことがあります。その経営者のかたは、もともと上場企業の出身で、事業の立ち上げ後も、地元の国立大学まで行って経営の勉強を続ける知的なかたです。本もたくさん読みますし、副業として塾も開講するなど、勉強への意欲は60歳近くなっても衰えることがありません。そんな勉強熱心なかたが、あちこちから情報を集め、地元NO1の呼び声高い中小企業診断士の指導のもとで、立派な計画を立てたのが今から10年ほど前のことでした。 ところが、計画を立てて1年経ったものの、全然計画通り事業が進まなかったのです。大学で経営学の勉強をし、たくさんの情報を集め、しかも地元NO1の呼び声高い中小企業診断士の指導をうけてまで作った計画だったのに、何の役にも立たなかったのです。 ② 「中期経営計画書なんてつくっても意味がない・・・」

「中期経営計画書なんてつくっても意味がない」と言われたこともあります。そのかたは、行政書士のかたで、もと大企業で役員までされたかたです。「うちはね。そりゃ、単年度の計画は作りますよ。でもね。5年先の中期経営計画まで作りませんよ。神様じゃないんですから。5年後、世の中がどう変わっているかわからないでしょ。5年前のあなた自身を振り返ってくださいよ。5年後の今の自分を想像できました?できないでしょ?事業も同じですよ。5年先の未来なんてわかりっこないのに、5年後の事業の数字を予測するなんて無理ですよ。」大企業の役員まで勤められると、社会情勢のことまで視野に入ってくるためか、中期経営計画書により、5年先まで見通して経営計画をたてるのは、意味がないと感じるのかもしれません。

③ 「経営計画書は、ずっと机にしまっていました・・・」

「経営計画書は、ずっと机にしまっていました。」と言われたこともあります。15年前に 経営計画書を作成するセミナーに出たっきり、机にしまっていたというのです。セミナーのときは、講師の指導のもとで、テンションがあがって、経営計画を実行しようという気になったそうです。しかし、セミナーのあと、熱が冷め、気が付いたら机のなかに経営計画書がずっとしまってあったそうです。

「批判的な意見に対して」

① 「経営計画書を作ってみたけれど・・・」

経営計画書を中小企業診断士のもとで、作っていれば、計画自体は、立派なものだったと思います。きちんと経営目標となる数字をきめ、どの事業で収益をうむのか戦略をたて、お客様や商品、販売等に関する方針まできめ、という具合にきっちりとした計画だったことが推察されます。それなのに、何の役にも立たなかったというのは、なぜでしょうか?その理由は、社員にまったく計画の内容を伝えていかなったためだと考えられます。その経営者の方は、インテリであるあまり、従業員に自分の経営方針が理解できると思っておらず、経営計画書の内容は、いっさい公表しませんでした。こうした経営計画書の場合、従業員は、社長の経営に対する考えを理解する機会がなく、社長からの指示を待つだけになり、自ら進んでお客様や会社のために頑張らないようです。従業員に伝わらないと計画がどんなに立派でも、PDCAサイクルのうち、Pの部分しかカバーできず、計画はまさしく「絵に描いた餅」となり、会社に何の変化ももたらしません。その結果が、「経営計画をつくってみたけれど、全然うまくいかなかったよ。」という感想になるのだと思います。

② 「中期経営計画書なんて作っても意味がない・・・」

中期経営計画により、5年先の将来を見通して計画を立てても、5年先の世の中の経済情勢や政治情勢がわかるわけはないと思いのは、当然です。そんなときに、私が思うのは、高校野球です。甲子園を目指して高校の野球部に入った1年生が3年後の高校3年生の夏までに計画的な練習をすることが無意味でしょうか?3年後はたしかにどうなるかわかりません。レギュラーになれるかどうかもわからないですし、勉強に熱が入るあまり野球部を辞めて塾通いをしているかもしれません。しかし、それでも未来に向かって目標を立てて努力することで、高校生活は充実したものとなりますし、努力から得られるものもあると思います。中期経営計画書も同じです。5年後の会社の姿を予想するのを目的とするのではなく、5年先までに何ができるのかを考えることで、会社の成長する姿がイメージできます。

③ 「経営計画書はずっと机にしまっていました・・・」  

 経営計画書を作るところまでは、熱が入るものです。しかし、作ったあとは熱が冷めて   しまいやすいのも事実です。ですが、経営計画書は、机にしまっておいたら、作った意味がありません。机にしまってしまうのは、経営計画書をチェックするしくみがないからです。毎月、計画と実績とを突き合わせながら、チェックするしくみがないからです。   チェックするのが、面倒でそこまで手間をかけたくないというのもあるかもしれませんが、毎月チェックすることで、計画はどんどん形を変えて活きたものとなります。   経営計画書に対し批判的な意見のとらえ方ですが、一つは、立派なものをつくりすぎて社員とうまく共有できないこと。二つは、経営計画書を利益の予想のツールととらえ、目標達成までのプロセスを軽視していること。三つは、経営計画書のチェックのしくみがないこと。これらが、経営計画書を使う上での阻害要因となっていると考えられます。   それでは、これらの阻害要因をとりのぞき、経営計画書を使いこなすには、どうしたらよいのでしょうか?  

「経営計画書を使いこなすための3つの視点」

ここでいきなり、経営計画書を使いこなす方法をあげてもよいのですが、その前に、経営計画書をどうとらえるのかという視点を確保しておかなければなりません。ヘンリー・フォードは、目的地に移動するためには、速度のある馬車ではなく、自動車を選びました。それは、人馬に走らせるよりも、機械に走らせるという視点の切り替えにより、各段に移動のスピードは速くなったことを意味しています。経営計画を使いこなすノウハウを蓄積しても、視点がずれると、馬車同士の競争で1番を目指すのと変わりません。効率よく会社を目的地に導くためにも、経営計画書をどう使うかという視点の確保は必要です。それでは、3点解説します。

① 他力本願ではいけない。

以前、あるシニア向けのビジネスをはじめようした方がいました。その方は、それまで写真館を経営していましたが、不況のあおりでその写真館を閉じ、起業することになりました。その際、年齢が55歳であったためか、いきなり自分で事業計画書を立てるのもつらかったため、地元の大学の先生に教わりながら計画書を作りました。ところが、そのかたも勢いこんで計画は立ててみたものの、まったくうまくいかず、がっかりしたと言います。先の中小企業診断士の指導のもとでつくった経営計画書もそうですが、大学の先生や中小企業診断士といった他人の指導に依存しすぎると、経営計画書はなかなかうまくいかないようです。HPの製作を思い出してもらうといいかもしれませんが、HPの原稿もHP製作会社に丸投げしてしまうと、インパクトのあるメッセージを発することができません。しかし、自分で原稿を考えて、HP製作会社と相談しながら作成すると、オリジナリティのあふれるものとなります。経営計画書も全く同じなのです。いくらその大学の先生や中小企業診断士が優秀であっても、経営者に自分の会社のビジョンや強み、弱みの分析といったことが深く認識できていないと、他力本願の経営計画書となってしまい、自社の経営目標を達成することが困難となってしまいます。

② 経営計画書は利益を予想するだけではない。

経営計画書といってどんなことを思い浮かべるかというと、利益のシュミレーションといった意見があります。これは、お客様だけではなく、会計事務所の職員に聞いても同じことです。利益のシュミレーションは、大切なことです。それによって、納税対策や銀行交渉もすすみます。しかし、利益のシュミレーションにとらわれる場合、経営計画書通りに利益が出ないと、経営計画書に対する失望感が強くなります。こうした失望感が、経営計画書離れを引き起こす要因ですが、ここで先の高校野球の話を思い浮かべてください。高校野球を3年間頑張ったら、甲子園に出られれるのか、地方大会でベスト8まですすめるのかといったことは、利益のシュミレーションと似ています。しかし、3年間頑張って目標にどこまで近づけたかという視点もあってよいのではないでしょうか?甲子園出場が目標だとして、仮にそこまでいけず、ベスト4で終わっても、それが3年前と比較したとしたらどうでしょう?仮に3年前、2回戦で負けていたチームが3年後ベスト4まで行けたら大躍進です。これが会社の場合なら、経営計画書通り利益がでなかったとしても、経営計画書を作り、目標達成にむけて頑張った分が、会社の成長ということになります。 このように、利益のシュミレーションをするツールという以外に、目標達成を促進するツールとして経営計画書を活用すると、会社の成長は加速します。 ③ 経営計画書はつくるものではない。

経営計画書をつくるための情報はこの世にたくさんあふれています。特に「経営計画つくるくん」というアプリは使いやすく、手順を踏めばだれでも簡単な経営計画書がつくれてしまいます。ところが、そうしてつくった経営計画書を実行しようとするひとがどれくらいいるのでしょうか?かつて、税理士試験を受験していたとき、専門学校から学習計画表を渡されていました。簿記論であれば、講義の概要とテキストのページの範囲、次回までにこなす宿題、単元ごとの確認テストや模擬試験の出題範囲などがそこに書かれていました。この計画表通りこなせば、一定の成果があがるわけですが、計画表通り宿題をこなせたのは、全受講生のおおむね3割くらいだっと記憶しています。このように、計画はつくるのは、意外と簡単ですが、計画を実行できる人は限られています。これは、税理士試験も会社経営も同じです。経営計画書はつくることに意義があるのではなく、計画を実行することに意義があります。計画が実行できて、はじめて、何が正解で何が間違いだったのか。どこを修正すれば、よいのかが明確になり、経営改善に役立つものとなります。

「経営計画書を使いこなす7つの方法」

 経営計画書を使いこなすための3つの視点を要約すると、 ・経営計画書は他力本願でなく、自分本位でつくる ・経営計画書は利益を予想するのみではなく、目標達成のプロセスと考える ・経営計画書はつくるものというより、使うもの といったことになります。次にこうした視点に立ったところで、実際にどうやって使いこなすのか、7つの方法をご紹介します。

① 社員の個人目標シートをつくり、定期的に進捗状況を確認する。

個人目標シートには、1年の数値目標と行動目標、各月の行動予定表を記載します。中堅の社員だと、社内の実情がわかり、経験も積んできたためか、数値目標が具体的になり、行動予定も細分化される傾向にあります。一方、新入社員だと、数値目標や行動予定が細分化されず、一定のスキルを獲得するまでの研修目標などが中心となるようです。 こうした目標をかかせるだけで一体何の意味があると思われたかたもいるかもしれませんが、ハーバード大学で興味深い実験が行われましたことを記憶にとどめてもらいたいと思います。在学中の学生にある教授が「君たちは将来の目標をもっているか?」と尋ねたところ、84%の学生は目標をもっていませんでした。13%の学生は、目標は持っていたが、紙に書いていませんでした。3%の学生は、目標をもち、紙に書いていました。それから10年後、目標をもっていた13%の学生の平均年収はもっていなかった学生84%の2倍で、さらに目標を紙に書いていた3%の平均年収は、他の97%の10倍でした。経営計画書を使いこなすには、社員一人一人がそれぞれ個人目標を達成することが不可欠です。中小企業でハーバード大卒のような優秀な人材が集まるかという問題もありますが、経営計画書が社長の机の引き出しにあるうちは、何も動きだしません。 社長の机から経営計画書を出し、一人一人に目標を紙に書いてもらいます。それも社長の側から強制的なノルマを課すのではなく、あくまで自発的な方法でです。

② 経営会議で経営計画の進捗状況や重要課題をチェックする。

経営会議とは、業績検討会とも呼ばれます。経営戦略を落とし込んだ経営計画の進捗状況をチェックし、改善するものです。また、会社の体制について議論する場でもあります。具体的なタイムスケジュールとしては、いろんなかたちがありますが、一例をあげると、 14時~14時20分 単年度経営計画の進捗状況を確認 14時20分~14時50分 予算と実績のずれの原因を検証 15時~16時 重点課題の解決に向けた議論  会社の体制について「報・連・相」で会議をした社員15名ほどの会社がありました。そのなかで、朝の出勤時間にいつも遅れてくる人がいました。その人は仕事は誰よりもできる有能な人ですが、有能なあまり、独立心が強い人でした。独立心が強いため、他の社員に自分のペースを強要するところがありました。しかし、そうした状況だからこそ、改めて「報・連・相」について話し合えたことに意義がありました。会議では、出勤時間の連絡として、社内のルールの見直しと徹底を行いうことが決まりました。会計事務所という第3者的な立場の人間が間にはいっていなければ、けんか腰になっていたかもしれない状況のなかで、お互いの本音をぶつけあえたことは、意義があることでした。会議では、仕事ができるひとはできない人なりの意見を、普段、孤立しがちな人は孤立しがちな人の意見を述べ、チャチャをいれそうな方がいれば、それを我々が制し、という具合に、一人の人間だけがずっとしゃべるのではなく、参加メンバー全員に均等に発言の機会が与えられました。会議が終わったあと、社長が「10年会社経営をしてきたが、ここまで腹を割って話しあえたのは、はじめてだ。」と私の耳元でおっしゃっていたのが、印象的でした。会議の場で、社内の問題意識を共有し、社内の連絡体制である「報・連・相」について均等に話し合うことで、全員での意思疎通が久しぶりに可能となりました。こうした重要課題は、事前にアンケートをとり、会計事務所内でも、同じテーマで自事務所の「報・連・相」について、議論しています。その議論の結果を踏まえ、当日留意すべきポイントをまとめています。そうした下準備を入念に行ったうえで、会議のファシリテーションを行っていますから、会議は円滑にすすみ、合意形成が可能となります。要するに何が満足度の理由かと言えば、経営計画の進捗状況を確認するだけではなく、お客様と同じ議題で実際に自分たちで会議をし、ポイントを整理したうえで運営するためです。また、その下地として、年間50回以上、事務所内で会議を行ってきたことも、会議の運営には功を奏しました。

③ ざっくり計画

いろいろなことを書いてきましたが、経営計画書は、ワード1枚、エクセル1枚あれば、はじめのうちは、十分です。大学の先生や中小企業診断士に相談したり、経営計画書の本を買ったり、インターネットで経営計画書のひな型をダウンロードするものいいですが、情報が多すぎると、修正するのも大変です。ある会計事務所では、売上計画は、相続と所得税法人税の顧問料の2つだけにしておいて、それを毎月エクセルで計画と実績の対比をとっているだけというところもあるようです。数値計画はざっくりエクセルで月ごとに管理し、行動計画を①のように社員別に月ごとに管理し、という具合に計画のチェックをするだけでも、所長の経営方針が明確になるそうです。計画は、年度を重ね、会社の規模が大きくなるごとに自然と複雑なものとなってゆきます。ですから、はじめのうちは、行動計画をワード1枚、数値計画をエクセル1枚で管理し、計画書をつくることよりも、社員の行動を管理し、変えることに重きを置いたほうが効果的といえます。

④ 経営計画発表会

経営計画書を作ったら一度はやってほしいのは、経営計画発表会です。社長が今後の会社の目標やあるべき姿を語ることで、社員は何を目指して頑張ればいいのかがはっきりし、モチベーションがあがります。 事前準備としては、・開催日時・開催場所・参加者・当日のタイムスケジュール・司会、運営・事前準備備品(ホワイトボード、ペン、筆記用具、カメラ、パソコン)配布資料として経営計画書の人数分などを確認します。 当日のタイムスケジュールとしては、冒頭5分でオープニング、それから30分かけて社長に経営計画の発表、その後、経営計画の中身について、社員から質疑応答といった感じです。早ければ、30分~1時間で終えることもできます。これをやると、社長自身にも、経営計画書のことが強く印象に残るためか、経営計画を実現しなければならないという思いが強くはたらき、経営計画書を机にしまっておくといったことが少なくなります。

⑤ 数字を読む目を養う

経営者の方に数字を読む目を養っていただく必要があります。 貸借対照表であれば、 資産と負債との比較をし、財務の安全性を確認します。財務の安全性を確認する指標としては、流動比率当座比率自己資本比率・負債比率・固定比率・固定長期適合比率などがあります。 ・損益計算書であれば、 経費を変動費と固定費に分け、売上に対応しているか確認します。変動費とは、売上に比例する経費をさし、固定費とは、売上に比例しない経費をさします。 どちらの書類にも共通することは、複数年の動きを比較することです。そうすることで著しい変化のあるものがチェックでき、会社の動きが見えてきます。 ちなみに財務分析の基本的な指標は以下の通りです。補足になりますので、読み飛ばしても結構です。

(収益性分析)  

損益計算書上の各種利益の額を売上高で除して求めます。値が高いほど、収益性が高いといえます。  

売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100 会社の商品やサービスの収益性を示します。 売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100 会社の本業の収益性を示します。

売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100 会社の総合的な収益性を示します。

売上高当期純利益率=当期利益÷売上高×100  

自己資本経常利益率=経常利益÷自己資本×100

総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100   会社の資本でどれだけ利益がでるか、貸借対照表に照らし判断します。   

(健全性分析)  

会社の資産がいかに効率的に活用されているかを判断します。  

総資本回転率=売上高÷総資本  この値が高いと資本投下が効率的に行われていることになります。

棚卸資産回転日数=棚卸資産÷売上高×365日  棚卸資産(商品、製品、仕掛品、原材料、消耗品等)が1回転するのに何日かかるかを見ます。

売上債権回転日数=売上債権÷売上高×365日  売上債権(受取手形売掛金等)が1回転するのに何日かかるかを見ます。  

仕入債務回転日数=仕入債務÷売上高×365日  仕入債務(支払手形や買掛金等)の支払いまでに何日かかるかを見ます。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル =棚卸資産回転日数+売上債権回転日数-仕入債務回転日数 →キャッシュ・コンバージョン・サイクルが短いほど、資金繰りが楽です。棚卸資産や売上債権の回転日数が短いほど、お金が早く回収できます。仕入債務が棚卸資産や売上債権に比べ長いと、支払に余裕がもてます。

(安全性分析)  貸借対照表を中心に支払能力を確認します。

流動比率流動資産÷流動負債×100  短期的な支払能力を示す指標です。目標は200%以上です。  

当座比率当座資産÷流動負債×100  当座資産の支払能力を示す指標です。目標は100%以上です。

自己資本比率自己資本÷総資本×100  資金調達が借入ではなく、自力で行っているかを示す指標です。目標は30%以上です。

固定比率=固定資産÷株主資本×100  固定資産を返済義務のない株主資本でどれだけまかなえているかを示す指標です。目標は100%以下です。  

固定長期適合率=固定資産÷(株主資本+固定負債)×100  固定資産を固定負債と株主資本でどれだけまかなえるかを示す指標です。目標は50%以下です。

(生産性分析)

経営の3要素として「ヒト」「モノ」「カネ」があります。生産性分析とは、このうち「ヒト」に関する収益性等を明らかにします。

 一人当たり売上高=売上高÷従業員数  

一人当たり経常利益=経常利益÷従業員数

 労働装備率=有形固定資産÷従業員数  

労働分配率=人件費÷付加価値×100  付加価値=売上高-外部購入価値(材料費、外注費、運賃)  

労働分配率とは、会社が生み出した付加価値額を「ヒト」に人件費としてどれだけ支払ったかを示す指標です。一般的には50%程度に抑えるべきです。

□利益と資金が一致しない理由。  

黒字でも資金繰りが厳しい会社があります。利益が出ているのに、お金がないのはなぜでしょうか? ① 信用取引 売掛金は収益となりますが、入金されるまで一定の時間がかかります。そのため、利益が先に出ていても、お金がないという事態を生むことになります。 ② 在庫 仕入れた商品が売上となり、現金化されるまでは一定の時間がかかります。そのため、先に資金が流出することになります。 ③ 減価償却費等 減価償却費は費用ですが、資金の流出は伴いません。減価償却費のもととなる固定資産に対する支出が別立ててで行われているからです。固定資産に対する支出は、一括で支払う場合と銀行からお金を借りて分割して支払う場合があります。これにたいし、減価償却費は一定の耐用年数に従って計上されます。この耐用年数とお金の支払うタイミングにズレが生じる結果、利益と資金繰りにもズレが生じます。

□財務体質を改善する方法

 会社の財務体質を改善するには、経営者が数字を読めることが必要となります。中小企業の多くの経営者は現場に出ており、毎月の売上すら把握していないことや決算書に何が書かれているか知らないことも珍しくありません。そこで、まずは複数年の決算書を比較して、問題点を浮き彫りにし、会社の目標を設定し、達成できたかどうかをチェックする必要があります。その際、以下の点をふまえて目標を設定することが有益です。 ・損益計算書の利益を増やす。そのための目標売上、経費の削減目標を設定。 ・増資をする。増資の金額やタイミングを設定。 ・資金繰りを改善するため、売掛債権の回収のペースを早めたり、仕入債務の支払いのペースを遅めたりする。目標となる回収状況の設定。

⑥ 経営計画書をチェックするしくみをととのえる。

経営計画書は、PDCAサイクルを回すためのものです。 PDCAサイクルとは、Plan(経画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(管理)の頭文字をとったものです。会計事務所としては、Pで経営計画書作成支援をし、Dで経営計画発表会・経営会議支援、C・Aで予実管理をサポートします。 経営計画がどの程度実行されているかを経営者とともにチェックします。経営者自らが改善策を打ち出し、現場を動かしてゆくことで、そのビジョンの実現をサポートするものです。  そのためには、まず経営理念をもとに全社計画、部門計画、個人目標を設定し経営計画書を作成します。その後、定期的に試算表を作成し、経営計画とのズレをチェックします。経営者の方にその場で改善策を打ち出していただくことを原則としますが、緊急の場合は経営会議の開催もサポートします。 経営会議も広義に解せば、このチェックするしくみの中に位置づけられますが、経営会議の場合、会社によっては、社員全員をまきこむこともあるので、外してみました。

⑦ 経営計画書を毎年作り続ける

経営計画書をつくったことがたった1回だけという経営者のかたも珍しくありません。ですが、実際に実務で経営計画書のチェックなどをしていると、経営計画書は毎年作りつづけないと効果が出ないと感じます。経営計画書を通じて実現できるのは、目標達成にむけたしくみづくりですが、このしくみづくりは、複数年にわたり少しずつできてゆくもので、非常に時間がかかります。1度きり、一生懸命に中期経営計画書を作ってもすぐにしくみづくりまではできません。5年間の中期経営計画書をつくったら、1年に1回の単年度の経営計画書を作る必要があります。

コーチングと経営計画書」

経営計画書を使いこなすには、①社員に目標を紙に書いてもらう②経営会議を開く③はじめはざっくり作ってみる④経営計画発表会を行う⑤財務分析を通じ、数字を読む目を養う⑥経営計画をチェックするしくみをととのえる⑦経営計画書を毎年作り続ける といったことが必要ですが、その根底には、社長と社員、あるいは会計事務所やコンサルタントと社長、社員のコミュニケーションも重要な役割を果たします。コーチとは、もともと4輪馬車をさし、目標にむかう人をその馬車に乗せることを意味します。その馬車に載せる役割を経営計画書は果たすこともあります。社長が社員に目標を紙に書いてもらい、目標達成にむけたコーチとなることもありますし、会計事務所やコンサルタントが経営計画の進捗状況を毎月のように確認することで、コーチの役割を果たすこともあります。 その際に、重要なのが、コーチングのスキルです。コーチングは、相手に答えを与えるものではなく、相手に気付きをあたえるものです。気付きをあたえる手順として、 「質問」→「承認」→「傾聴」の3ステップがあります。とりあわけ重要なのは、質問です。 質問のしかたとして、「過去質問」に対する「未来質問」といったものがあります。経営計画書は、未来にむかって開かれたものです。社長が社員の目標の進捗状況を確認する際も、 「どうして達成できなかったんだ?」といった「過去質問」を繰り返しては、社員の士気が低下し、目標達成に向けた前向きな行動がとれません。しかし、同じ内容の質問でも、「どうすれば達成できるかな?」といった「未来質問」を投げかけると、社員は自分が否定されたとは、感じず、目標達成に向けた前向きなアクションをとるようになります。これは、コンサルタントや会計事務所が経営計画書の進捗状況を確認するときも同じです。 さらに、質問の型としては、「いつまでに?」「要約すると?」「他には?」「具体的には?」 「なぜそう考えるのですか?」といったものもあります。

・「いつまでに?」

経営計画書には、期限を設けることが必要です。何をいつまでに実行するかの期限のない計画書だと、それこそ、「絵に描いた餅」となり、いつまでたっても何もできないことになります。

・「要約すると?」

経営者の頭の中身は、自分で思ってるほど、整理されていないこともあります。いろんなアイデアが経営計画書のチェックのなかで生まれてきても、それをまとめる作業がないと、改善策が生まれにくくなってしまいます。

・「他には?」

以前、海外に子会社をもつ社長にこの質問をしたところ、「実は、これからブラジルにも子会社がほしいんだよね。」とおっしゃいました。この話は、側近の経理部長でも知らなかったそうです。社長から本音を引出し、経営計画書を実効性のあるものにするためにも、この質問は有効です。

・「具体的には?」

売上をあげるために、Facebookで集客したいという経営者もいます。そこで、Facebookで集客するとしたら、具体的にどういった手段があるのか?「いいね」をたくさん押して、見込み客の関心を引き付けるのか?フェイスブック広告を出すのか?といったことを質問することで、経営計画書の具体性を強め、計画の実現可能性を高めます。

・「なぜそう考えるのですか?」

外注費や店舗の家賃など、支払額の大きいものが本当に減らせないのかについて疑問に思う経営者は以外と少ないです。経営計画書を作る段階で、はじめから、こうした経費の減額の可能性を無視してしまうと、損をすることがあります。固定観念にとらわれるのは、経営者だけではなく、社員も同様です。こうした固定観念を打ち破り、気づきをあたえることが、経営計画書を使いこなすためにも必要です。

「そもそも経営計画は本当に必要なのか?」

昔、ある製造業の女将さんに、経営コンサルタントに会社の数字を分析させようとしたところ、「私の会社のことは私が一番よく知っている。私こそ、自分の会社の先生だ。東京から経営コンサルタントなんかよんで教わらなくたっていい。」とおっしゃっていました。同じような考えの経営者は多いと思います。こうした経営者にとって、当たるかどうかわからない経営計画を時間をかけて作ってチェックしたところで、何の役にもたたないのかもしれません。ですが、その一方で、経営計画書を作り、実績との差異を会計事務所とともに検証するなかで、「経営の盲点に気付きがあれば、教えてほしい」という経営者のかたもいます。こうおっしゃっていたのは、ある程度の規模の会社のかたです。経営計画書は、規模の小さな会社よりもある程度の規模の会社で効果をもつのは、こうした理由からです。それは、ある程度の規模に達すると、経営者の盲点も多くなります。得意先の数も増えます。商品やサービスの数も増えます。従業員も増え、さまざまな価値観が社内で交錯します。そうしたなかで、社内をひとつにまとめ、チームで一丸となって、会社を成長させてゆくには、経営計画書により、数字の動きや人の動きをチェックしてゆく必要があります。経営計画書を他力本願でつくるかどうか、つくることに重点をおくか、つかうことに重点をおくか、利益のシュミレーションと見るか、目標達成の手段とみるか、いろんな観点がありますが、経営計画書を使うさいの一番の切実な問題は、経営の盲点を防ぐ点にあるのかもしれません。カエサルの名言に「人間はみな自分の見たいものしか見ようとしない」というのがありますが、 経営者も同じです。基本的に会社の置かれた事実のうち、見たいものしか見ようとしません。それが経営計画のチェックや活用により、見たいもの以外のもの(すなわち盲点)を認識することで、経営のリスクを減らすことになります。

「これからの会計事務所の役割」

 大学時代は中央大学文学部哲学科でアリストテレスの原典を古代ギリシア語で読むなどの哲学青年でした。経営学は、おろか、簿記すらもふれたことはありません。大学卒業直後の就職活動で失敗し、税理士の道へ進みました。しかし、そこで2度目の挫折がおきました。群馬、新潟、地方経済の衰退するばかりでした。決算書をどんなに正確に作ったところで、お客さんを救うことはできませせんでした。埼玉にきて本格的に経営計画の作り方を学び、経営計画書のチェックにより、1年で600万円の経費削減に貢献しました。 ある製造業では、経営計画のタイムリーな確認により、周到な投資計画のもと、ものづくり補助金1000万円の獲得をサポートしました。経営に関し、玄人と言えないことは自覚しているものの、経営計画をきっちりつくって、管理をまめにおこなうことで、会社の数字が動き、社内の人間関係までよい影響をおよぼしたことに感動してしまいました。 これまでの流れを要約すると、経営戦略や経営計画書の作り方を確認し、経営計画に批判的な意見とそれに対する反論、経営計画書を使う視点と使い方、さらに経営計画書を使うための対話術としてコーチングを取り上げてきました。こうしたことを業務として成立させるのは、会計事務所に限らず経営コンサルタント会社でもよいのかもしれません。しかし、クラウド会計の普及でリアルタイムで会計データのやり取りができるようになるなか、記帳の手間が減った分、経営計画書にも時間を割き、お客様との対話の時間を増やしてもいいではないでしょうか?もともと、私が経営計画書に興味をもつようになったのも、お客様との対話をもっと増やし、税務の申告以外でもお役に立ちたいと思ったからでした。経営者主導のもとで、 経営計画書を作り、ビジョンに向かってすすむ会社に数字の見方、使い方を解説しつつも、コーチングをベースとして対話を重ねながら、会社が自ら目標にむかって歩む後押しをすること。 こうした役割も今後の会計事務所には強くもとめられるのかもしれません。 補足として、数字のことがまったく苦手なかたのために、決算書の概要を書き記しておきます。補足ですので、すでに以下の内容を理解されている方は、この先は、読むのを割愛していただいてかまいません。

「補足」

1. 貸借対照表 貸借対照表とは会社の財政状態を表すものです。資産・負債・純資産が記載されています。

 (資産)

資産とは、土地・家屋・金銭などの財産をいいます。資産は流動資産・固定資産・繰延資産に分けられます。 流動資産とは、通常1年以内に現金化、費用化ができるものをいいます。流動資産に含まれるものは、現金及び預金、受取手形売掛金、有価証券、製品、原材料、仕掛品、貯蔵品、前払費用、繰延税金資産等です。 固定資産とは、通常1年以上の長期にわたって使用する資産をいいます。固定資産は有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に分けられます。有形固定資産とは、形のあるものをさし、土地、建物、機械設備、船舶、車両、工具備品、建設仮勘定などからなります。無形固定資産とは、形のない資産をさし、特許権、商標権、借地権、ソフトウェア、電話加入権などからなります。投資その他の資産とは、有形固定資産・無形固定資産以外のものをいい、投資有価証券、関係会社株式、長期貸付金などからなります。 繰延資産とは、本来費用に分類されるものの、その効果が長期にわたってあらわれることから、資産計上されているものです。創立費、開業費、開発費、株式交付費などからなります。

(負債)

負債とは、銀行や個人から借りた金銭や買掛金などの債務をいいます。負債は流動負債・固定負債に分けられます。 流動負債とは、1年以内に支払の期限が到来する債務をいい、支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用、未払法人税等、前受金、預り金、前受収益、各種引当金などからなります。 固定負債とは、1年以内に支払の期限の到来しない債務をいい、長期借入金、各種引当金などからなります。

(純資産)

純資産とは、資産から負債を差し引いたものです。純資産は主として株主資本からなります。株主資本とは、企業のもともとの出資額である資本金や経営活動によって生まれた利益剰余金などからなります。

2.損益計算書

会社の1年間の収益と費用の状態を表します。売上高・売上原価・売上総利益・販売費及び一般管理費・営業利益・営業外収益・営業外費用・経常利益・特別利益・特別損失・税引前当期純利益法人税等・当期純利益などからなります。

(売上高)  

本業の商品やサービスを販売することで得られる収益のことをいいます。

(売上原価)

 売上に直接対応する経費のことです。物品販売業では商品の仕入高、サービス業では人件費、製造業では外注費や材料費も含まれるなど、業種により変わります。  算定の仕方は以下のようになります。  期首商品(製品)棚卸高+当期仕入高(製造原価)-期末商品(製品)棚卸高 (売上総利益)  粗利益とも呼ばれます。売上高から売上原価を差し引いたもので、商品やサービス、製品の収益力を表します。

(販売費及び一般管理費

一般に売上高とは直接関係なくかかる費用のことです。販売費とは、販売に関する経費のことをいい、販売手数料や広告費などからなります。一般管理費とは会社を管理するための費用をいい、人件費、水道光熱費、家賃、減価償却費、保険料、賃借料、などからなります。

(営業利益)

売上総利益から販売費及び一般管理費をひいたものをいいます。会社の本業での収益力を表します。

営業外収益

本業以外の活動で発生する経常的な収益のことです。雑収入、配当金や受取利息が含まれます。

(営業外費用)

本業以外の活動で発生する費用のことです。支払利息、手形の割引料、為替差損、雑損失が含まれます。

(経常利益) 

毎期、経常的に生じる利益のことです。営業利益に営業外収益、営業外費用を加味したもので、会社の収益力を見る基本的な指標です。

(特別利益)

通常の活動以外の特別な原因で一時的に出た利益です。固定資産や株式の売却益などからなります。

(特別損失)

 通常の活動以外の臨時的な損失です。固定資産の売却損や株式の評価損などからなります。

税引前当期純利益

 経常利益に特別利益と特別損失を加味し、法人税等を考慮する前のものをいいます。 (法人税等)

 国税である法人税地方税である道府県民税、市町村民税、事業税からなります。 (当期純利益

 税引前当期純利益から法人税等を引いたものです。

3..株主資本等変動計算書

 貸借対照表の純資産の変動状況を表す表です。純資産を株主資本、評価・換算差額、新株予約権、少数株主持分に分けます。

キャッシュフロー計算書  

キャッシュとは、現金および現金同等物(預金)のことです。期首から期末にかけての貸借対照表の現金及び預金の増減変化を示したものです。中小企業では作成の義務はありません。営業活動、投資活動、財務活動によるキャッシュフローの3区分に分けられます。

(営業活動によるキャッシュフロー

 商品やサービスの販売代金の回収や仕入代金の支払いを表します。

(投資活動によるキャッシュフロー

 有形固定資産や無形固定資産の取得による支出や売却による収入を表します。

(財務活動によるキャッシュフロー)  

配当金の支払いや借入金の返済による支出、借入による収入を表します。