中期経営計画作成その他、税金に関すること

税理士です。経営計画を川口市、さいたま市、東京近郊でつくってます。

エクセル1枚:中期経営計画作り方のレシピ

経営計画というと、難しいというイメージがありますが、料理と同じで一定の手順さえ踏めば、誰でも簡単に作れてしまいます。ただ、料理と違う点は、料理は作ったらすぐに食べてしまうので、作ること全力が注がれますが、経営計画は、作ったあとにそれをどれだけ丹念にチェックできるかが勝負です。チェックの密度が細かくなれば、なるほど、多くの気づきが得られ、味わい深くなるのも特徴です。今回は、そんな中期経営計画のレシピです。一口に中期経営計画といっても様々なレシピがあり、今回はその一つを示すにすぎませんが、「料理は愛情」ともいわれるように、経営計画書も作り手の熱い思いがなければ、ただの絵に描いた餅です。熱い思いをもったら、さっそく作り始めてみましょう。

 

材料として事前に用意するもの

 

・前々期、前期、当期の損益計算書、借入金の返済表

・売上分類表

・人件費計画表

・設備計画表

・会社をよくしたいと思う情熱やビジョン、経営理念、経営方針

 

材料を加工したあとにできるもの(料理)

 

・中期経営計画書(エクセル1枚)

 

作り方の概要

 

前々期、前期、当期の損益計算書より、売上分類表、人件費計画表、設備計画表を作成します。次に、中期経営目標を3つほど書き出し、前々期、前期、当期の損益計算書、売上分類表、人件費計画表、設備計画表をもとに、中期経営計画書を作成します。材料となる資料をもとに数字をどんどん埋めてゆくと、料理が自然にできるようになっています。

 

作り方の詳細

 

① 売上分類表を作成します。

 

主要な商品やサービス、事業の名前を書きます。つぎに損益計算書より、前期の売上を書きます。当期の売上目標の決め方ですが、少し背を伸ばしたら届きそうなくらいがちょうどいいと思います。迷ったら、当期売上目標は、前期比1.2倍~1.3倍に設定してもよいと思います。できれば、商品やサービスの原価率をもとに粗利率を書き込んで、採算の取れる商品やサービス、事業かどうかを検討するとよいでしょう。原価率とは、売上に対する原価の割合です。50円で仕入れたものを100円で売ると、原価率は50%です。この場合利益は、100-50=50で、粗利率も50%となります。粗利率に関しては、経済産業省等が公表している業種ごとの粗利益の平均値を参考としてよいかもしれません。ちなみに中小企業庁によると、平成17年度の業種別の粗利の平均値は、下記の通りです。 建設業:24.9% 製造業:35.7% 情報通信業:61.4% 運輸業:41.1% 卸売業:23.6% 小売業:33.8% 不動産業:69.3% 飲食店業:65.0%  サービス業:64.5% 平均値に満たない場合、この平均値を目標として中期経営計画書の粗利の額をもとめるのも一つの手です。

 

売上分類のテンプレート

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② 人件費計画表を作成します。

 

今後5年間で増員したい部署や採用したい人数を書きます。人数のしたには、採用者の年間給与合計を書きます。1年目で営業の人員を2人増やす場合は、採用人数に「2」と書き、年間給与が一人300万なら「600万」と書きます。販路を拡大したいと考える経営者のかたは、営業部門の増員を、工場の生産量を伸ばしたい経営者のかたは、製造部門の増員をという具合で、計画を作成します。現状のスタッフが高齢化した場合に補充する人材の計画を立てることもできます。人員に変化が見られない場合は、あえてこの人件費計画表は立てる必要はありません。

人件費計画のテンプレート

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③ 設備計画表を作成します。

今後5年間で、中小企業投資促進税制の対象となるような設備投資(平成30年度末まで:機械及び装置(1台160万円以上)測定工具及び検査工具(1台120万円以上)ソフトウェア(70万円以上)等)または、建物の引き渡し等を検討している場合、どのタイミングで投資を行うかを記入します。償却率をもとに減価償却の試算をします。なお、減価償却の試算については、お近くの会計事務所にご相談ください。自分で減価償却の試算までするのが、厳しい場合は、償却率のところは、埋めなくてけっこうです。

設備投資計画表のテンプレート

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④ 前々期、前期、当期の損益計算書と①②③をもとに、熱い想いをもって中期経営計画書を作成します。会社の経営理念や経営方針をもとに、5年後までに実現したい中期経営目標を上から箇条書きで3つほど書きます。ここには、売上目標や採用目標、実現したビジョンなどを自由に書きます。そのあと、前々期、前期、当期の売上高と売上原価、売上総利益、人件費、減価償却費、その他の経費、営業利益、支払利息、経常利益は、損益計算書から丸写しします。その後、①の売上分類表より、5年後までに伸ばしたい商品やサービス、事業等があれば、その伸びしろを当期の売上高に加味し、まずは売上高の5年後までの数字を埋めてゆきます。①の売上分類表で原価率までわかっている場合、売上原価はそれぞれの売上高に原価率を乗じて求めることもできます。売上総利益は計画した売上高から売上原価を差し引いて求めます。つぎに②の人件費計画より、5年先まで新たに採用する人員がいる場合、当期の人件費に採用者の年間給与を加えて数字を埋めてゆきます。とくに採用の予定がない場合、人件費は当期の数字をそのままうめていって結構です。減価償却費は、③の設備計画表より、新たに追加する設備があれば、その追加分の減価償却費を計上してゆきます。ただ、減価償却費の計算は複雑なので、このあたりは、お近くの会計事務所にご相談ください。その他経費は、販売費及び一般管理費から人件費と減価償却費を差し引いて求めます。当期と大きく変動がなければ、そのまま5年後もうめていって結構です。営業利益は、売上総利益から人件費、減価償却費、その他の経費を引いてもとめます。支払利息は、借入返済表に今後支払うべき会社の支払利息が書かれている場合、それをそのままうつしてゆきます。経常利益は、営業利益から支払利息を差し引てもとめます。営業外の収益として受取利息等があれば、それらを加味する必要があります。

事業計画5年のテンプレート

 

 

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「料理のあと」 ここまでで、中期経営計画書というメニューは完成したことと思います。このあとは、単年度経営計画書や目標管理シートなどまで作り、という具合にコース料理が続いてゆくというイメージです。この経営計画書のフルコースを味わった会社は、財務体質が強化され、お金が残るようになっています。経営計画書を作ってみたいかたは、いつでもご相談ください。