エクセルテンプレートで資金管理②
前回は損益計算書のテンプレートを5か年にわたり、埋めていただくというものでした。 今回はエクセルテンプレートで資金管理②ということで、キャッシュフロー計算書の 簡単なテンプレートをもとにお金の流れを整理してみたいと思います。 まずは、このテンプレートの見方を解説します。
スタートは、当期純利益です。当期純利益はそのままお金の増加をもたらすと考えられます。 しかし、実際の中身はどうでしょうか?まずは減価償却費について考えてみます。 減価償却費はすでに建物などの購入に出て行ったお金を国が定めた法定耐用年数で 割っているだけなので、減価償却費そのものは、当期に支出したお金と一致しません。 たとえば、100万円の建物を前期に買ったとします。 前期に出たお金は100万円です。耐用年数が5年だとすると、100万円÷5=20万円 が当期の減価償却費となります。 当期の利益が減価償却費をひいて50万円だったとすると、 当期減価償却費20万円は、建物の支出が前期100万円で全部済んでいることから、 お金の支出の伴わない経費となります。 そうなると、利益50万のお金に加え、減価償却費20万のお金が浮いたことになり、 当期は70万円のお金が増えたことになります。 つまり減価償却費を当期利益に足すことで、資金の流れをつかむのです。 他にも様々な資金の増減の要因はありますが、今回のテンプレートでは、 減価償却費を足していった場合の資金の動きを追ってゆきます。 エクセルテンプレートで資金管理①の損益計算書のテンプレートと比較すると、 利益の推移と実際残るお金の推移には、ずれが生じることに気づかれると思います。 そのため、経営計画書を作るときなども、利益計画に加え、資金繰りの計画も 立てると、いっそう、資金管理の精度が上がると考えられます。
1年めのテンプレートです。お金は400増えます。
2年目のテンプレートです。
3年目のテンプレートです。
4年目のテンプレートです。
5年目のテンプレートです。
エクセルテンプレートで資金管理というシリーズは今回で終わりです。 損益計算書のテンプレートを埋めるところまでは簡単だったと思います。 ただ、このキャッシュフロー計算書のテンプレートをうめ、資金繰りの分析をするには、 やはり、専門家に相談されるのが一番かと思います。 また、こうしたテンプレートを応用すれば、資産家向けの相続財産のシュミレーションも 可能となります。土地を売ったら、いくらお金が残り、借入してアパートを立てたら、相続時 までにいくら借金があり、いくらアパートの資産価値があるかといったところを 一枚のエクセルテンプレートで資金管理をするのです。 このまま事業を続けていったら、いくらお金が残るのか心配のかたは、 ますこうしたテンプレートをご活用いただくのも一つの手かを思います。 それが難しい場合は、いつでもご相談ください。