中期経営計画作成その他、税金に関すること

税理士です。経営計画を川口市、さいたま市、東京近郊でつくってます。

坂本龍馬「船中八策」と経営計画書

いつもブログを読んでくださり、誠にありがとうございます。

坂本龍馬の「船中八策」は聞いたことがあると思います。

倒幕後の新しい日本のあり方をまとめた8つの文章ですが、

これを読んだとき、思い返したのは、経営方針でした。

連日、エクセルのテンプレートやサンプルをもとに

経営計画書やキャッシュフロー計算書の作り方や活用の仕方を 解説していますが、

中期経営計画書の作る段階では、実はエクセルの数字データよりも まずは、

会社のあり方である経営理念や経営方針について考えてゆきます。

坂本龍馬もゆくゆくは、海運業をやりかったようですが、

この船中八策では、国家経営のビジョンやあり方について語られている点

経営計画書のモデルにしてもよいと思います。

それでは、実際にその中身を見てゆきましょう。

 

船中八策

第一策。天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づべき事

第二策。上下議政局を設け、議員を置きて、万機を参賛せしめ、万機よろしく 公議に決すべき事

第三策。有材の公卿・諸侯、および天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、 よろしく従来有名無実の官を除くべき事

第四策。外国の交際、広く公議を採り、新たに至当の規約を立つべき事

第五策。古来の律令を折衷し、新たに無極の大典を選定すべき事

第六策。海軍よろしく拡張すべき事

第七策。御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事

第八策。金銀物貨、よろしく外国と平均の法を設くべき事

第一策で大政奉還を説いたあとは、革命思想とは程遠く、

議会や海軍の拡張、経済政策まで含み、新国家の経営方針といってよい内容となっています。 この船中八策プリンストン大学の日本史の教授、マリアス・B・ジャンセンは、 「以後20年にわたり日本を風靡する近代的な諸概念がすべて盛り込まれていた。 老い朽ちた愚劣な諸制度の一掃、統治形態と商業組織の合理的再編成、国防軍の 創設などである。」とべた褒めしています。

龍馬の新国家の経営理念としては、 デモクラシーがあったのかもしれませんが、そのデモクラシーを拡張すると、 この船中八策になったということかもしれません。

これは、中小企業の経営計画書にもまったくあてはまる発想だと思います。

経営者のビジョンを経営理念で表現し、経営方針として拡張したうえで、

さまざまなテンプレートやサンプルをもとに、中期経営計画書を作ります。

そのうえで、より具体的な数字の予想や行動指針を盛り込んで

これまた様々なテンプレートなどをもとに 単年度の経営計画書を作ります。

実際、明治国家も、こうした龍馬のビジョンを受け継ぎ、

山本権兵衛が計画的に海軍を作り上げ、日本海海戦の大勝利につながります。

国家経営と中小企業の経営では、スケールが違うかもしれませんが、

司馬遼太郎さんも「坂の上の雲」の冒頭で、

「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。」

と書きだしているように、日本の近代も諸外国から見れば、 小さなものだった以上、 それほど、スケールの違いがあるものでもないのかもしれません。

中小企業の経営計画書のあり方を考えるうえで、

坂本龍馬の「船中八策」は、とても有用だと思います。