中期経営計画作成その他、税金に関すること

税理士です。経営計画を川口市、さいたま市、東京近郊でつくってます。

中期経営計画作り方:実況中継

いつもブログを読んでくださり誠にありがとうございます。

「経営の見える化

中期経営計画をつくると会社が変わります。

というと、嘘のように聞こえるかもしれませんが、本当です。

成功事例のご紹介 - 加藤忠男税理士事務所(蕨市・川口市・戸田市)

ビフォーアフターで表現すると、

ビフォー

・経費のどこに無駄があるのかはっきりしない

・社長のワンマン

・事業計画は、立てていたもののどこか漠然としていた

アフター

・毎月、経営計画のチェックをするなかで、どこに無駄があるか明確になる

・経営会議で経営計画の進捗状況を確認することで、社内が一つになる

・事業計画に書かれた数字をより具体的に意識するようになる

要するに経営計画をつくれば、それまで漠然としていたものが、よりくっきり見えるようになるんですね。無駄な経費にしろ、社員の会社についての思いにしろ、経営計画を立てるまでは、漠然と意識していたものが、明確に見えるようになり、経営の方向性がはっきりします。経営の方向性さえはっきりすれば、あとは数字は自然とついてきて、多くの会社が利益を残せるようになっています。

 

経営計画書の最大のメリットは、 経営の見える化です。

 

それでは、いつものように、さまざまなテンプレートをもとに「見える化」の原動力 となった中期経営計画の作り方を見てゆきましょう。

 

「経営目標の書き方」

経営計画といっても、いきなり、5年後の売上の予測をするわけではありません。まずは、しっかり、自己棚卸をし、自社の目標を定めることが必要です。数字の予測に走ると、数字のつじつま合わせに終わり、本当に目標達成にむけて努力しなければいけない理由が説明つかないのです。自社を知り、自社でやりたいことが明確にならないと形だけの計画になります。そのため、経営の見える化にあたり、そもそも論としてなぜ、経営するのかを問いかけないといけません。経営理念は、なぜ経営するかを一言で表現したものです。阪神淡路大震災で瓦礫の山を見た建設業者は、「本物のコンクリートをつくる」を経営理念としました。こうした経営理念をまずは考えてみましょう。

 

自社の経営理念とは・・・

 

つぎに中期経営目標や当期経営目標を設定するのですが、その際、自社の商品力と弱み、強みの分析により、自己棚卸をする必要があります。自己棚卸をする際に以下の設問にお答えください。

商品名はなんですか?

市場はありますか?

顧客は個人ですか?法人ですか?

顧客の業種はなんですか?

顧客の規模はどれくらいですか?

どのエリアで事業展開しますか?

品質はいいですか? 価格は妥当ですか?

競合力はありますか?

ライバルとなる会社はありますか?

商品の強みは何ですか?

営業力はありますか?

シェアは高いですか?

顧客満足度は高いですか?

今後の見通しは明るいですか?

商品の成熟度は次のうち、どれに該当しますか?

・衰退商品 競合力などが低下し、売れない

・挑戦商品 今後売れる可能性がある

・成熟商品 市場が成熟し、大きな発展が望めない

・成長商品 売上が伸びている

・安定商品 利益の貢献度が高く、安定して売れている

 

商品は複数あると思うので、ひとつひとつの商品について、これらの設問をなげかけてゆくと、中期経営目標として、どの商品で勝負するかが明確になると思います。その際は、 目標に期限をもうけ○○年までに何をどうするかという方向性を数字を交え、具体的に書いてゆく必要があります。

 

中期経営目標・・・○○年までに○○を達成する。

 

次に当期経営目標を設定します。当期経営目標は、中期経営目標のうち、すぐに達成できそうなものを行動目標として掲げ、前期の売上高や経常利益を参考に、当期の売上高や経常利益を設定します。

 

当期経営目標

売上高

経常利益

行動目標

 

ここまで、会社の今後の方向性がある程度はっきりしたことと思いますので、 経営目標のテンプレートに上記の内容をまとめてみましょう。

 

経営目標テンプレート

 

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「売上計画表の書き方」

 

つぎに、売上計画表を書きます。売上計画表には、売上分類と分類された各売上の金額と構成比が、前期から5年後まで記載できるようになっています。手始めに前期の損益計算書をもとに、分類表を埋めてみてください。

売上計画表のテンプレート

 

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ここで先ほど書いた経営目標のテンプレートをもとに、中期経営目標や当期経営目標を 具体的な数字で書き込んでゆきます。自己棚卸をもとに、売上を衰退商品、挑戦商品、成熟商品、成長商品、安定商品のいずれかに分類し、商品別のライフサイクルを加味したうえで、 伸びしろのある商品であれば、5年後は現在の倍以上、逆に衰退商品であれば、5年後の売上は低めに設定することは可能です。また、商品別ではなく、得意先別に売上を細かく分類し、伸びしろのある得意先であれば、強気の計画を立てることもできます。あるいは、エリア別、部署別、顧客の年齢別、と売上の分類の仕方は、さまざまですので、自社にあった切り口で、売上計画表を埋めてみてください。それでも迷ったら、売上高を前年より1.2倍~1.3倍にしておいて、それを達成する具体的な手段を煮詰めてゆくというのも一つの方法です。

 

「損益計算書の書き方」

 

最後に5年先までの損益計算書をつくります。まずは前期の損益計算書の数字より、売上高、仕入売上総利益、人件費、減価償却費、その他、営業利益、支払利息、経常利益 法人税等、当期利益を埋めてゆきます。

 

損益計算書のテンプレート

 

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ここで先ほどの売上計画表のテンプレートより、まずは売上高を埋めてゆきます。次に仕入を埋めてゆきます。仕入は売上と対応しますので、原価率と利益率の見直しを行い、売上総利益がこのままの推移で採算が取れれるのかも検証します。人件費の計画ですが、今後の採用予定人数や採用者の年間給与の合計を加味して決めます。人件費には、役員報酬や給与手当、賞与のほか、法定福利費などの社会保険料も入りますので、別途、人件費計画を立てることも有効です。特に労働分派率が高すぎる場合、人件費の支払過ぎで利益を圧迫しているおそれもあることから、経営計画をたてても営業利益が出そうにない場合、財務分析により、労働分配率の見直しを行うことも必要です。減価償却費ですが、設備投資の計画が新たにある場合、中小企業投資促進税制のもとで特別償却なども想定されますので、ここはざっくりと埋めていってよいと思います。特別償却等を使うと、たくさん減価償却費が計上されるため、年により、大きな変動があると考えられるためです。「その他」は、とくに変わった経費がなければ、前年にならして埋めていってかまいません。支払利息ですが、これも別途借入の返済計画表をつくることも有効です。返済表をつくったうえで、今後の支払利息の金額を書き込んでゆきます。法人税等は、平成29年3月以降の法定実効税率は31.33%なので、概ね30%と見てよいと思います。

 

「おわりに」

 

ここまでで、経営目標、売上計画表、損益計算書の3つのテンプレートが完成したと 思います。正直、これを一人でやるのは、経理の経験がないと厳しいと思います。私自身、以前、ワードプレスでブログを開設したことがありましたが、ロリポップの説明書きはわかりやすいはずなのに、実際、初心者一人でやってみると、ものすごく難しく感じられました。この中期経営計画の作り方を読まれたかたもおそらくそんな感じかもしれません。 一人でやって厳しいと感じたかたは、ご相談ください。