中期経営計画作成その他、税金に関すること

税理士です。経営計画を川口市、さいたま市、東京近郊でつくってます。

経営計画書作成のポイント

経営方針・目標と今後のプラン - Google スプレッドシート

いつもブログを読んでくださり誠にありがとうございます。 今回は、経営方針等を書いたテンプレートもつけて、 経営計画書の作成のポイントを解説します。

 

「はじめに」

資金繰りの厳しい会社があります。 資金繰りが厳しいので、 とりあえず、銀行からお金を借りて、 とりあえず、役員報酬を減らしてみて と、やっているうちに、借入が雪だるま式に増え、 気づいたときには、 毎月の支払利息の負担が重くなり、 ある程度、返済が済むと またお金を借り換え・・・ といった状況となります。 こうして、 借りては返し、返しては借り、いつまでたっても 資金繰りがきついといった状況が続く会社も少なくありません。 多くの会計事務所は、 こうした会社の現況をよそに、 いまだ、正確な決算書と申告書を作ることしか考えていません。 しかし、これでは、病人が目の前にいながら、 何の治療もしない医師とそう変わりません。 経営計画書とは、味方によっては、 会社を理想の健康状態にするための処方箋のようなものかもしれません。 そうした意味では、 決算時に会社の健康状態のリスク分析を 財務分析により、行う必要があります。 つぎに、リスク管理として、どのような対策が打てるかを 経営計画書に書き込みます。 そして、理想の健康状態に近づいているかどうかを 定期的にチェックし、改善します。 多くの会計事務所は、財務分析すらしません。 財務分析をしないで決算書や申告書だけを作るのは、 体重計で体重を量っても、健康にあたえるリスクがどれほどかまで 分析しないのと一緒です。 経営計画書まで作らなくても、最低限、財務分析だけは、 もう少し、きっちり進めるべきだと思います。 今回は、こうしたリスク分析をふまえて、 経営計画書を作成するポイントにふれさせていただきます。

「財務分析」

前期の決算書をもとに、財務分析を行います。 財務分析の指標は、ここにあげたもの以外にも 様々なサンプルがあることをご了承ください。

① 借入返済に必要な売上高は確保できているか?

借入金対月商比=借入金÷月平均売上高

◇チェックポイント◇

借入金が月平均売上高の12倍以上だと、危険です。

借入金が月平均売上高の6倍以上だと、要注意です。

借入金が月平均売上高の4倍以下だと、健全です。

労働分配率が適正か?

労働分配率とは、会社が生み出した付加価値のうち、 労働者にどれほど分配されているかを示すものです。

労働分配率=人件費÷付加価値(粗利益) 付加価値は、粗利益と言い換えてもいいです。 粗利益とは、売上高から仕入を引いたものです。 人件費とは、給与や社会保険料、福利厚生費のことです。

◇チェックポイント◇

労働分配率が70%を超えていると、給料の払いすぎかもしれません。

労働分配率が50%前後だと、人件費は適正だと思われます。

労働分配率が40%以下だと、給料を減らしすぎかもしれません。

総資本経常利益率が3%以上か?

総資本経常利益率とは、投下資本でどれだけ お金を稼げるかを示したものです。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本 経常利益とは、営業利益に受取利息や支払利息を加味した 事業全体の利益を表します。 総資本とは、会社が外部から調達した借入金などの他人資本と、 会社設立時に出資した資本金や過去の利益の蓄積などの自己資本 をあわせたものです。

◇チェックポイント◇

総資本経常利益率がマイナスなら、収益性に問題があるかもしれません。

総資本経常利益率が3%前後なら、収益性は普通です。

総資本経常利益率が10%以上なら、収益性は優れています。

自己資本比率は、30%以上か?

自己資本比率とは、総資本のうち、どの程度が 自己資本でまかなわれているかを示します。 自己資本比率=自己資本÷総資本

◇チェックポイント◇

自己資本比率がマイナスなら、財務状況の安全性に問題があります。

自己資本比率が30%前後なら、財務状況は普通です。

自己資本比率が50%を超えていると、財務状況は優良です。

⑤ 運転資金のバランスは適正か?

運転資金のバランスより、資金繰りの状況を分析します。

運転資金のバランス=売上債権残高日数+棚卸資産残高日数-仕入債務残高日数

売上債権残高日数=売上債権÷売上高×365日

棚卸資産残高日数=棚卸資産÷売上原価×365日

仕入債務残高日数=仕入債務÷仕入高×365日

◇チェックポイント◇

運転資金のバランスが60日を超えると、資金繰りに問題があります。

運転資金のバランスが30日前後だと、資金繰りは大きな問題ではありません。

運転資金のバランスが-30日以下だと、資金繰りは楽だと思います。

「経営計画書作成」

財務分析をしたあとは、財務状況の改善にむけた 戦略を立てることになります。 もっとも、 戦略が即、経営計画書に反映されるわけではありません。 ある会社では、 運転資金のバランスが、昨年より悪くなっていました。 その原因は、 仕事はあるが、人手不足で売上が立ちにくい。 けれど、支払だけはどんどん出て行くというものでした。 そのため、当面は、人の採用に力を入れるということでした。 ただし、人の採用にも現代では、 知り合いに頼む以外に、インターネットを使った方法もあります。 インターネットを使った採用は、その会社では、 本格的に検討していませんでした。 そこで、財務分析を通じて則経営計画というのではなく、 その会社では、人の採用に力を入れるようになりました。 こうして、次に何をするかを明確にして、 経営計画書を作ってゆきます。 今回は、 ・売上計画の作成のポイント ・経費計画の作成のポイント について見てゆきます。

「売上計画の作成のポイント」

数字より先に収益を上げるために何が必要かを まずは考えます。 次に必要な売上高の目標を算出します。

① 業種別の粗利から算出

業種別の粗利の平均値は下記の通りです。

H17年 建設業24.9% 製造業35.7% 情報通信業61.4% 運輸業41.1% 卸売業23.6% 小売業33.8% 不動産業69.3% 飲食宿泊業65.0% サービス業64.5%

これらの粗利から逆算して、売上目標を決めます。

損益分岐点から算出

損益分岐点というと、むずかしい算式が出てきますが、 ここでは、いったん割愛します。 端的に経費と同額の売上とします。 ただし、個人事業主の場合は、生活費は経費になりません。 そのため、事業の経費+生活費=売上と考えずに 事業の経費=売上と考えると、損益分岐点は下がり、 目標設定がおかしくなってしまいます。

③ 前年の売上から算出

売上を商品別や得意先別に分類することで、 伸びしろのあるもと安定しているもの、今後、減少するものに 振り分けます。こうした振り分けにしたがい、 前年の売上から当期の売上を予想します。

「経費計画作成のポイント」

経費計画作成のポイントは、次の3つです。

① 売上と直接対応しているものの有無

② 本当に削減できるものがないのかを疑う

③ 自分に関係するものの有無

① について 製造業の場合、外注費や材料費は、売上に直接対応します。 こうしたものに本当に無駄がないのかどうかを 単価・数量のレベルまで検証します。 ある会社では、こうした地道な検証を 経営計画書に反映さえることで、 1年で600万円も利益が出せました。

② についてですが、 経費のなかには、実は削減できそうなのに、 なぜか放置されているものもあります。 ある会社では、組織再編の際、 お世話になった弁護士に月額60万の顧問料を 支払っています。 こうした経費は、保険料や地代家賃など、 たくさんあります。

③ についてですが、 自分に関連するものは、なかなか削れません。 法人であれば、自分の家族の役員報酬や 自分が会社に貸している事務所や置き場の家賃、 個人であれば、自分の生活費や遊ぶお金 こういったものまで経営計画で切り込むことが難しいです。

「おわりに」

経営計画書作成ということで、 財務分析から実際の数字の決め方まで数字の話が 中心となっていまいましたが、 実際のところ、経営方針や、今後のプランが 定まっていない会社がほとんどです。 エクセルで使用できる 簡単なテンプレートを用意しました。 そこには、経営方針・目標と今後のプランが 3年先の売上目標とともに書き込めるようになっています。 まずは、このテンプレートを埋めて、 それからご興味があれば、経営計画のご相談をよろしくお願いします